こんにちは。ちとせの出口です。
鳴くのが随分と上手になったウグイスの声を聞きながら、6月号を始めます。

 

 

● 藤田の講演(ビジネススクール開講記念講演&どうなる日本のバイオ戦略)レポ

KSPビジネススクール開校式と日経BP主催の『技術の祭典 テクノロジー NEXT 2019』にて藤田が講演を行ったので、それぞれレポートをお届けします。

◯KSPビジネススクール開校式記念講演
http://www.ksp.co.jp/hrd/school/kinen201905/
レポート担当:勝山久蔵(インターン)

先日、KSPビジネスイノベーションスクール開校式にて、ちとせグループ代表の藤田が「日本のベンチャー育成業界の不都合な真実」という題目で講演を行いました。

藤田の「バイオ基点の社会づくりに貢献したい!」「個人の意志を表現できる社会にしたい!」といった想いから経営しているちとせグループの紹介から始まり、「ヒト」「モノ」「カネ」の切り口より、日本の技術系ベンチャーの現状に対する課題感と自らの意志を話しました。

媚びへつらう事無く、自身の正直な想いを終始貫いた藤田の講演は、一見すると激しい内容にも思えるものでした。しかし、話す言葉の一つ一つに、「今の日本をもっと良くしたい」という藤田の純粋なる想いがずっしりと積まれており、聴講に訪れた方々も次第に惹き込まれてゆきました。

「ビジネスプランとは個人の生き様そのものであり、その繋がりがビジネスを生み出す。そんな意志を、お金や環境で潰される事なく表現できる社会でありたい」

一貫されたこの想いが訪れた方々に少しでも届いたのか、質疑応答も藤田の考えをもっと聴きたい方々の質問で活発な時間となりました。

今の日本の課題に対し、自身の想いをのせて目指したい未来を話す藤田の講演に、記事にすべく筆を取っていた私も文字におこすのを忘れるほど聴き入ってしまいました。

もっともっと、たくさんの方々にこのお話を聴いてもらいたい。一緒に考えていきたい。
皆様にちとせの魅力や想いを届ける立場として強く感じた一日でした。

ということで、「ぜひうちでも話してほしい!」「うちのメディアに載せてほしい!」と感じられた方々、ご連絡お待ちしております!

このポーズ、ろくろを回す・・・ではなくキャベツを持つと最近は表現するとかしないとか?

◯『技術の祭典 テクノロジー NEXT 2019』
https://tech.nikkeibp.co.jp/cp/19/s/04/#TN27E
レポート担当:出口悠

5月27日(月)、東京都目黒区の雅叙園で開催された、今年で3回目となる『技術の祭典 テクノロジーNEXT』。生物×デジタル×ものづくりのセッションにて、『基調講演 どうなる日本のバイオ戦略』と題し、藤田が内閣府の赤石政策統括官と共に講演を行いました。

『これまで日本はキーワード(例えば合成生物学、ゲノム診断など)に対して投資してきたがそれでは駄目だ。そうやって技術だけを切り出してどこに投資するかを議論するのではなくて、産業構造を踏まえた上でその中のどこで戦うのかについて、利益率や技術的優位性を整理した上で議論して決めるべきだ』と主張しました。そして、『最も重要なのは、お金の匂いを感じる戦略をたてることでステークホルダー全員がやる気になり、 “お金が集まる” 状態にすること。投資を結集すべき「領域」を示すことは国にしかできないことであり、政府がバイオ戦略を策定する意味はそこにあるはずだ』と述べました。

持続可能性やSDGsが叫ばれる昨今ですが、それらはバイオの力無しには成し得ません。つまり、今後「全産業がバイオ化」する流れが加速していくと考えられます。その中で、我々ちとせの担う役割は大きいと確信しています。

生き物を扱う「バイオ産業」だからこそ我々が重視している考え方があります。それは、生き物を「Controlする」のではなく、「Manageする」という考え方。これこそ、バイオ産業構築の本質ではないでしょうか。

この考え方について、ちとせ研究所WEBサイトの「生物を利用するための二つの考え方」のページに記載しているのでぜひ御覧ください。この文章に共感してちとせへの入社を決意するメンバーがとても多いです。実は私自身もその中の一人。

最後に・・・、
全産業のバイオ化に向けて、業界全体で、更には業界を超えてみんなで奮闘しませんか?
藤田が今年の抱負を『OPEN』と書いたとおり、藤田自身OPENな姿勢で活動していくとのことなので、少しでも気になるな、話したいなと感じた方はぜひご連絡ください!
みんなでバイオ産業を盛り上げていきましょう!

当日の発表資料を見たいという方、出口までお声がけくだされば共有します。

 

 

● AIを活用したバイオ生産マネジメントシステム

日本生物工学会関西支部が主催する若手企画セミナー「AIはものづくりの現場にどう活かせるか」にて、ちとせ研究所 菌叢活用本部 本部長の笠原堅が「AIを活用したバイオ生産マネジメントシステム」の題目で講演を行いました。

◯笠原 堅(ちとせ研究所 菌叢活用本部 本部長)

本セミナーでは、各演者とも、AIというはっきりしない対象について、過剰に期待感を煽ることもなく、それぞれの言葉で丁寧にAIとの向き合い方について、説明されていました。そして、皆さん同様にAIは完全なものではなく、その不完全さをどう扱うかというお話だったように思います。

また、AIに学習させるべき生物データはどういうものであるべきか、と言う議論も多く出てきました。そこに対して我々は、AIに学習させることに適したデータとは、人が理解することを前提としないデータであり、そのようなデータは、ニューラルネットワークの隠れ層(Convolution layer)で扱われるようなデータであることから、コンボリューショナルデータと呼ぶことを提案いたしました。今後、コンボリューショナルデータを集めるという取り組みを広げていきたいと考えています。

本セミナーでは、私にも他の演者にも大変多くの質問・コメントがあり、「生物を活用したものづくり分野におけるAIの活用」に対する関心の高さが伺えました。本セミナーは、生物工学会関西支部の若手企画委員の皆さんが構成されたものでした。大変刺激的なセミナーを企画してくださった企画委員の皆様に感謝したいと思います。


 

● チェンジ・ザ・ワールドにタベルモが取り上げられました

2019年5月19日(日)に放送されたテレビ東京「チェンジ・ザ・ワールド」にてタベルモの取り組みをご紹介いただきました。

―未来を築く志―「ミライのタンパク供給=藻」

5分という短い番組の中で、いかに興味を持ってもらえるようにシンプルに見せるか。そのノウハウが詰まっているなーと放送を見てしみじみ感じました。

ど理系の集まりである私達・・・。いつも、ついつい1から10まで説明したくなってしまうので、こういったテレビ編集からは、ある意味見習えることがあるなあとも感じます。

番組中では使われなかった佐々木の秘蔵カット(わざとらしすぎる画ですね)


 

● 東南アジアの現場から キャメロンハイランド編 第二回

ちとせグループは、今や2割のメンバーが東南アジア(シンガポール、マレーシア、ブルネイ)に在籍しています。そして、いわゆる「大規模な現場」のメインはそれら東南アジアにて展開しているのが現状。つまり、現場感は東南アジアからしか伝えられない!私が毎回取材しに行くわけにもいかないし、何より現地に入り込んで日々奮闘しているメンバーに書いてもらったほうがリアルが伝わるはずと考え、「東南アジアの現場から」シリーズを始めてみることにしました。

第一弾は、”ちとせいちご” の生産拠点、マレーシアのキャメロンハイランド編。全5回に分けて片岡が現場からお届けします。

酒呑んで、人に呑まれる
・常秋のキャメロンハイランド ←今回はココ
・イチゴ生産の最前線で働く人々
・ローカルペストを攻略せよ!
・生産者にとどまらず東南アジアでやりたいこと

常秋のキャメロンハイランド

私はオイルパームプランテーションでのプロジェクトが一段落した2017年より、キャメロンハイランドにおいてのイチゴの生産プロジェクトに加わった。低地にあるオイルパームプランテーションはまさに熱帯という気性の激しい風情であったが、キャメロンハイランドはまるで日本の仲秋の気候のようで、夜は涼しく虫の音が美しい。そのため、熱帯地域であってもイチゴが収穫でき、しかも一年を通して安定生産ができるのである。キャメロンハイランドの雰囲気を作り出す植物たちも熱帯のそれとは異なり、日本の山地帯で見られるような種類がいたりするから、なんだか懐かしくなり、心がしっとりすることがある。

キャメロンの朝はおいしい湿気をたくさん含んでおり、すがすがしい。

 

キャメロンは日本向けの菊の栽培で有名。夜になると開花を抑制する電気が点く。

 

*筆者:片岡 陽介(Chitose Agri Laboratory バイオエンジニア)
ちとせに入ってからマレーシアのボルネオ島の山奥で2年、その後キャメロンハイランドを拠点に”ちとせいちご” をメインとした東南アジアの農業プロジェクトを担当

続きは次号のHOTTOPICSにて

ちとせがいちご?と初耳の方はぜひこちらも合わせてご覧ください
マレーシア産 “日本品質いちご” をきっかけに、アジア農業の未来をつくる


 

● 新しいメンバーを紹介します

5月も新たに2名のメンバーが増えました!

◯川原田 雄希(事業開発)
はじめまして。事業開発に携わります、川原田と申します。
理科教諭を経て、ドイツのUniversität hohenheimという所でバイオエコノミーを勉強していました。

藻類について知り、学んだのは留学中だったのですが、あらゆる文献で技術的・経済的課題がクローズアップされる中、実はこの分野では日本が有利な部分があると考えるようなったのが藻類を仕事にすることを決めたきっかけです。

その中でも技術力と研究力を培ってきた実績と、将来のポートフォリオの柔軟性・可能性に惹かれちとせへの参画を決めました。

文化的・思想的背景の違いから欧州のバイオエコノミーの考え方がそのまま日本に持ち込めるとは思いませんが、最近よく耳にすることのある「持続的発展」の根底にある;
“Sustainable development is development that meets the needs of the present without compromising the ability of future generations to meet their own needs.”
(持続可能な成長とは将来世代が求めうるニーズを損なうことなく現世代のニーズを満たした成長である。抄訳)Our Common Future, Brundtland Report (1987)
は、一つの我々の世代の明らかな責務であって、藻類をはじめとする生物資源にその活路を見出せればと考えています。

まだまだ至らぬところが多く、試行錯誤の日々ですが、「持続的発展」の一石を投じることができれば幸いです。
よろしくお願いいたします。

 

◯松本 久敏(タベルモ 販売企画)
はじめまして。株式会社タベルモ 販売企画部の松本です。

前職では、某冷凍食品メーカーで、およそ20年にわたり家庭用製品を中心に営業、商品開発マーケッター、営業部マネジメントなどをしておりました。

その中、世界的人口増に伴う食糧課題に対し、効率的にタンパク質を摂取できる「スピルリナ」を、健康食品としてとどまらせず、
食糧危機の解決策として着目し運営している「タベルモ」事業を知り、大きな魅力を感じました。

とはいえ、現時点で日本における「スピルリナ」の認知と理解は低位であり、「藻」を食べる文化も広く根付いていないのが実態、そう簡単な仕事ではありません。

ただ千年先までの豊かな食生活の実現が、「光合成を基点とする食」が唯一と考えた時、”そう簡単な仕事ではない!”が、”ワクワクしながら成し遂げたい仕事!”に変わり、<ちとせグループ>への参画を決意しました。

まだ、入社間もないですが、私が培ってきた市場・消費者・競合分析力、営業力などを駆使し、流通・飲食店・メーカーなどの賛同を得、消費者へ届け、「タベルモ」を社会に埋め込み拡大を図ることに邁進しております。

 

編集後記

最近感じていること。
仕事も人間関係も住環境も健康も美容も何もかも、いい状態を保つために大事なのってメンテナンスだなーってこと。

私が思うメンテナンスとは、状態を保つということだけではなくて、常により良くしてゆくということ。メンテナンスし続けることができるかどうかで、人生の満足度がかわるんじゃないかなあとさえ感じます。

メンテナンスが大事なんて言ってしまえば当たり前のことなのだけど、忙しかったり疲れていたり心に余裕がなかったりするとついつい疎かになってしまうんですよね・・。

みなさんはちゃんとメンテナンス、できていますか?

 

 

次回のHOTTOPICSは7月上旬を予定しております。
ご意見、ご感想、お問い合わせは「news@chitose-bio.com」まで。