こんにちは。ちとせの出口です。

4月のとある暖かい日、早朝から日が沈むまで家の近所では絶え間なくウグイスが鳴いていました。たまーにへたっぴな子がいて、それがたまらなくかわいく、どの生き物も皆必死に生きてるんだな〜としみじみしました。

● [東南アジアの現場から] キャメロンハイランド編 初回

ちとせグループは、今や2割のメンバーが東南アジア(シンガポール、マレーシア、ブルネイ)に在籍しています。そして、いわゆる「大規模な現場」のメインはそれら東南アジアにて展開しているのが現状。つまり、現場感は東南アジアからしか伝えられない!私が毎回取材しに行くわけにもいかないし、何より現地に入り込んで日々奮闘しているメンバーに書いてもらったほうがリアルが伝わるはずと考え、「東南アジアの現場から」シリーズを始めてみることにしました。

第一弾は、”ちとせいちご” の生産拠点、マレーシアのキャメロンハイランド編。全5回に分けて片岡が現場からお届けします。

新メンバー歓迎会の様子。ノリノリで写っているのがキャメロン編執筆者の片岡

 

・酒呑んで、人に呑まれる ←今回はココ
・常秋のキャメロンハイランド(6月予定)
・イチゴ生産の最前線で働く人々(7月予定)
・ローカルペストを攻略せよ!(8月予定)
・生産者にとどまらず東南アジアでやりたいこと(9月予定)

 

酒呑んで、人に呑まれる

「陽、マリ、スィニ、ミヌム、ミヌム(陽介、こっち来て、呑め、呑め)」

脅迫?するような低い声に呼ばれて、オフィスの隣にあるレストランに行く。華人にとって縁起の良い赤いテーブルクロスが敷かれた円卓の上に、ビール瓶がすでに10本以上空いており、その真ん中に見たこともない3Lボトルのブランデーが場を支配するかのように鎮座している。私の父より少し若いくらいの60歳前後のおじさんたちが円卓を囲んでおり、明るいうちから既に出来上がっている。顔をだしてすぐさまビール用グラスを渡され、そこにウィスキーやブランデーを注がれて、「ヤムセーン!(乾杯)」。

ここはマレーシア、キャメロンハイランド。

クアラルンプールやシンガポールから旧友たちが訪ねて来ることも多い

 

私たちのオフィスはキャメロン高原の中でも中華系農家さんが多く集まっているエリアにある。幸運にも隣に繁盛する中華レストランがあるので、特に野菜が高値の時は景気がいいこともあって、週末や祭日はこのような光景が多く見られる。しかし、そこに私たちと同世代かそれより下の世代が一緒にいることは皆無だ。私は毎回誘われる度に、彼らと酒を酌み交わし、彼らの空気に呑まれながら、彼らの育んできた文化の中で生かされていることを実感する。酒席でビジネスの話が進むことは多くはないが、素面の時はビジネスや生活する上で困ったことがあると彼らは強力な助人となってくれるから心強い。

また、農家さんの一日の始まりである朝食の時間も大事な社交の場である。情報が欲しい時に朝食の場にでると、話しかけた人がその場に来る人来る人に声をかけ、いろいろな情報が集まってくる。それらの情報は時に突拍子もない怪しいものも含まれているが、だいたい就農者自身もしくは知り合いの経験談を聞くことができるので貴重だ。

*筆者:片岡 陽介(Chitose Agri Laboratory バイオエンジニア)
ちとせに入ってからマレーシアのボルネオ島の山奥で2年、その後キャメロンハイランドを拠点に”ちとせいちご” をメインとした東南アジアの農業プロジェクトを担当

続きは次号のHOTTOPICSにて

ちとせがいちご?と初耳の方はぜひこちらも合わせてご覧ください
マレーシア産 “日本品質いちご” をきっかけに、アジア農業の未来をつくる

ところで、日本では「ちとせって藻の会社ですよね」「ちとせって不均衡変異の会社ですよね」と言われることが多いのですが、シンガポールやマレーシアではもっぱら「いちごの会社」と認識されています。代表 藤田の娘さん(8歳)は、お父さんはいちご屋さんだと思ってるそう。

● 米津玄師『Lemon』の「ウェッ」に寄せて、仕事を通じた自己表現について考える

昨年から開始したWEBメディアでの藤田の連載の中で、おそらく最も多くの方に読まれたのが先日公開したこの記事です。

NewsInsightの連載『藤田朋宏の必殺仕分け人』第5弾
米津玄師『Lemon』の「ウェッ」に寄せて

 

ほとんどの方が一度は聞いたことがあるであろうあの大ヒット曲、何度も聞こえる「ウェッ」の感じ方がこの記事を読めば変わるかもしれません。

以下、藤田のFacebookより抜粋した本音をこっそり(?)ご紹介

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表向き
令和の始まりに、新しい時代への意気込みを書いてみましたー。

本音
むっちゃくちゃムカつくことがあって、カーッと来たその憤りを鎮めるために、30分くらいで、わーっと書いたのがこれです。
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● 新しいメンバーを紹介します

4月頭、新たにちとせの仲間となってくれた8名のメンバーを紹介します!

◯Y.K.(事業開発):
藤田さんと夫が学生時代にサッカーを一緒のチームでやっていたそうです。という話は学生時代から聞いていたのですが、私自身は藤田さんにはお会いしたことはありませんでした。藤田さんがプレイしながら監督をされると、圧倒的にメンバーの力量に差があるのに、何故かいつも勝てちゃう、相手チームはなんであんな弱小チームに負けるんだ、と泣いて悔しがる。それが爽快で、藤田とのサッカーは忘れられない思い出、という話。そんな藤田さんがリーダーの会社では、きっと素敵なメンバーの協働、化学反応、イノベーションの嵐の日々に違いない!自分もその魔法を浴びて、新しい自分を発見かつ未知の経験ができるかな?と期待して、入社しました。きっかけは藤田さんがFBへ「こんなことできる人募集中」とあげられていたのを夫が見て勧めてくれたのでした。20年来の、噂の藤田さん実物にもお目にかかれ!、これからのちとせワークにワクワクが止まりません。

 

◯吉村 智大(研究開発):
私がちとせで仕事をしたいと思った理由は、「真摯に向き合う会社」だと感じたからです。社会問題を解決するため、未来の地球のため、そんな風に世の中のために真剣に生物たちを観察し、応用する術を試行して、社会へ送り出していく。真摯に目の前のことに挑戦し、その挑戦にワクワクできる人達がかっこいいなと感じました。入社する前から抱いていたその印象は今も変わりません。そのような場に携われることにおこがましさも感じていますが、私も生き物や社会に真摯に向き合って、世の中のためになる仕事ができるよう努力していきたいと思います。

 

◯松崎 巧実(研究開発):
私は幼い頃から生き物が好きで、毎日のように生き物を探しては自然の中を駆け回っていました。大学生になってからは動物細胞や微生物などの小さな生き物がもつ可能性にも興味を持つようになり、小さな生き物を扱う仕事がしたいと思うようになりました。

生き物が本来持つ生きる力を利用し、未来に残る事業をつくることを目指したちとせは、私にとってぴったりの会社でした。また、多くのことにチャレンジし続けなければならない流動的な環境は、全くの世間知らずな自分の成長を促すのではないかと思い、ちとせに入社しました。

実際に、入社して間もないですが東南アジアのマレーシアで藻類事業に携わり、自然あふれる現場でとても貴重な経験を積ませていただいています(色々な意味で驚きの連続です)。どんなことでも楽しんで取り組める性格を武器に、今はまだよく知らないたくさんの何かと一生懸命に闘っていきたいと思います。

 

◯西尾 拓真(研究開発):
大学で化学を専攻しており、研究室では酵素の機能改変や異種発現系の構築に取り組んでいました。微生物に目的のものを作ってもらうのは大変で、良好な結果を得るのが難しいのを実感していましたが、微生物たちと触れ合うのは楽しいものでした。どうやったら機嫌が良くなるのか、逆に何をしてはいけないのかなど、本テーマである「酵素」とは少し離れたことに考えるリソースをかなり割いていました。そんな大学での研究生活を送っていましたので、微生物に関わる仕事をしたいなと思い就職活動をしていました。そのとき目にしたのがちとせ研究所の育種技術でした。育種という事業を通して様々な微生物を知り、さらに、未知なる微生物の力を引き出し、社会にその力を組み込むことができたら、それは研究者としてだけではなく、社会に生きる一人の人間として誇ることができるのではないかと思い、入社を決意しました。まずは微生物の「声」に耳を傾けられるようになりたいです。

 

◯小宮山 瑤子(研究開発):
私は文系の大学を卒業後、2年ほど会社員をしていましたが、「どこでも通用する専門知識やスキルを身につけたい」と思い、大学に入学し直しました。その時の専攻は、食べることが好きだからという理由で食物栄養学。その中で微生物学と出会い、専門知識としてこれを仕事にできたら、と大学院に進み、就職活動でちとせに出会いました。

人に多様性があるのは生き物としての生存戦略の一つであり、これからどんな環境になってどんな形質が有利になるかわからないから、いろんな人がいてよいのだというような文章を読んだことがあるのですが、ちとせにはそんな「自己とは違う他者を尊重する」空気を感じます。HPにも「生き物をマネジメントする」という言葉がありますが、ちとせの仕事の根本は「生き物の多様性を認め、ある環境下で最も力を発揮できる個体に活躍してもらう」ことであり、そんな仕事をしている会社だからこういう空気があるのだろうと思います。ただ、だから私のことも認めてと甘えるのではなく、深みや引き出しのたくさんある「多様性のある人間」(と言ったらおかしいでしょうか)になり、仕事の中で活躍できるチャンスを増やしていけたらと思っています。

 

◯海江田 峻(研究開発):
大学院での研究ではヒト上皮細胞、がん細胞を扱っておりました。細胞はひとつひとつにキャラクターがあるため取り扱いが異なりますが、それがとてもおもしろく、細胞を扱った仕事に就きたいと思うようになりました。就職活動中にちとせ研究所のHPを見て、動物細胞を利用した事業をしていること、そして「生命現象の全てを理解することは難しいという事実を受け入れた上で、生物を人間の為に活用できるシステムを構築する」という考え方に惹かれ、履歴書を送りました。今は入社して1か月程度でありますが、ようやくちとせで扱う細胞たちの特性をつかみつつあるところです。これから実験技術をみがくとともに、まずは与えられた仕事を着実にこなす、そしてこの細胞たちが活きる新たな道を開拓していきたいと思っております。

 

◯賈 舒征(研究開発):
日本に来てからの7年間は、毎日実験と仕事に没頭してきました。去年学位を取得したのですが、その瞬間「新しいことに挑戦したい!」という気持ちが湧き、ちとせの門をたたきました。

代表藤田との面接で院生時代のサッカーの話をしました。その中で、「試合中何が一番爽快か?」という問いを投げかけられました。この問いの答えに、私は未だ悩んでいます。ゴールした瞬間なのか、試合の流れなのか、仲間との一体感なのか…。その答えをみつけたいと思い、ちとせへの入社を決意しました。

ちとせは、私にとって大学時代が終わって初めての新しいスタート。これから会社とともに自身も成長することで、いったいどこまで遠くへ行けるのか楽しみです。

 

◯勝山 久蔵(インターン):
私は4月から京都大学大学院を休学し、インターン生としてちとせで働いています。
きっかけは、発酵生理及び醸造学研究室に常駐されているちとせ社員の河合さんから紹介されて見たHPにあるフレーズでした。

”技術シーズを収益事業として社会に埋め込む”
”既存の全ての産業をバイオ化する”
”千年先まで人類が豊かに暮らせるように”

研究室で細々と抱いていた想いを本気で事業にしている会社を目の当りにし、平坦な自分にも宿る程の胸の高鳴りを覚えました。急いで河合さんに連絡し、藤田さんとお話する機会を設けて頂きました。

藤田さんの多次元に伸びる奥深さが決定打となりインターンを申し出た所、異例ながらも認めて下さりました。

4月から働き初めて1か月、2つの問いが常に頭にあります。今自分が身を置いて伸ばしている次元はどこか。社会、会社、組織、個人そして微生物に至るまで、互いに関与して生きる事の髄とは。1日1日の生き方と自らの価値を個人に委ねられるちとせにいるからこその問いです。これらを考え続け行動する先にちとせ及び社会への価値貢献があるのだと考えています。

不器用な私が”ちとせイズム”を独自に体現するには程遠いですが、コツコツと歩んでいきたいと思います。

● 藤田の講演(ビジネススクール開講記念講演&どうなる日本のバイオ戦略)のご案内

ちとせのメインとなる日本拠点が入っているかながわサイエンスパーク(KSP)よりお声がけいただき、KSPビジネススクール開校式の特別講義で藤田が講演させていただくことになりました。参加費無料ですので、お近くにお越しの方がいらっしゃればぜひ聴きにいらしてください!
※参加には下記URLよりお申し込みが必要です。(〆切:5/15)

◆ 5/20(月) KSPビジネススクール開校式記念講演
@かながわサイエンスパーク(溝の口)
http://www.ksp.co.jp/hrd/school/kinen201905/

 

また、日経BP主催の『技術の祭典 テクノロジー NEXT 2019』にて「どうなる日本のバイオ戦略」と題し、内閣官房の赤石政策統括官と共に基調講演を行います。藤田からは、今夏を目標に策定作業を進めているバイオ戦略の有識者の代表として、日本のバイオ産業の実情や課題などをお話させていただく予定です。

◆ 5/27(月) 技術の祭典 テクノロジー NEXT 2019
精密機器、製造業、IT産業に新事業チャンス到来!
バイオエコノミーと合成生物学がもたらす200兆円の商機
基調講演 どうなる日本のバイオ戦略
@ホテル雅叙園東京(東京・目黒)
https://tech.nikkeibp.co.jp/cp/19/s/04/#TN27E

キレイゴトを抜きにした藤田の生々しい話を聞きたいという方、ぜひ足を運んでみてください!

 

編集後記

GWはたっぷり10日間おやすみをいただきました。
油断すると仕事のことを考えてしまうので、なるべく考えないことを意識的に徹底していたのですが、一乗谷朝倉氏遺跡の駐車場で見つけたあるもののせいで仕事のことを思い出しました。

そのあるものとは、こちら。

 

そう、イシクラゲです。
と言ってもほとんどの方が存在を認識していないと思います。

私自身、藻ガール尾張が書いた以下の記事で初めてその存在を知りました。
イシクラゲ、言われてみれば確かに見たことある気がする・・・と感じる方も多いのでは?

藻ガール尾張のわくわく藻探し -道端で発見!つかめる微細藻類「イシクラゲ」-

 

意識の外にあったモノが、ふと聞いた話や読んだ記事、仕事を通じて携わった事柄がキッカケとなり、意識の内側に入ってくるという現象があると、人生が豊かになった気がして嬉しくなります。

たかがイシクラゲ、されどイシクラゲ。
私の人生をまたひとつ豊かにしてくれました。

 

次回のHOTTOPICSは6月上旬を予定しております。
ご意見、ご感想、お問い合わせは「news@chitose-bio.com」まで。