こんにちは。ちとせグループ広報の出口です。

ツクツクボウシの声が聞こえるようになり、秋が垣間見えてきましたね。まだまだ暑い日もありますが、次号を執筆する頃にはすっかり過ごしやすくなっていることを期待しつつ、今月号を始めます。

〈目次〉
● ブルネイにタベルモの子会社を設立しました
● バイオインフォマティクスの書籍を出版しました
● 新しいメンバーをご紹介します
● 今月のおすすめ記事
『なぜ今、藻なのか? – ”タンパク質危機”の解決を目指す「タベルモ」の正体』

●ブルネイにタベルモの子会社を設立しました

ちとせグループの一員で、現在スピルリナ培養技術開発と用途の開発・販売を行っている『株式会社タベルモ』。この度、ブルネイでのスピルリナ生産に向けて現地法人「Tavelmout Biofarm (B) Sdn Bhd(以下、タベルモバイオファーム)」を設立いたしました。

▶こちらも合わせてお読みください
17億円の資金調達を実施したタベルモ社の目指す未来とは?

ブルネイは赤道にほど近く、そのため1年を通じて十分な日照量が得られます。スピルリナは「光合成」をして増殖するため、エネルギー源として太陽光が十二分にあることが重要です。この点においてブルネイは生産に適した場所なのです。

また、タベルモに出資いただいた三菱商事株式会社のリソースが活用できるという点に加え、治安の良さや現地人材の質の高さ、政府の協力体制なども決め手となり、ブルネイへの進出を決めました。

現在、今年度中の工場の建設開始、そして来年夏頃の本格稼働を目指して複数のメンバーが動いています。中でも、今回設立したタベルモバイオファームの代表に就任した鈴鹿は、ブルネイでのスピルリナ生産を技術面からもマネジメント面からも支えていくという重要なポジションを任され、6月からブルネイに駐在しています。

せっかくブルネイに鈴鹿がいるのに、日本の川崎市からこのまま私が情報をお届けしても面白くないので、ここでバトンタッチしたいと思います!

 

鈴鹿 暁:
『初めまして、タベルモバイオファーム代表の鈴鹿です。多くの方にご協力いただき、7月13日付でようやく現地法人会社を設立する運びとなりました。これから工場を建設し、来年には良質なスピルリナの生産開始を目指しています。

私自身は、もともと微生物や微細藻類の研究に長年携わっていました。日本でスピルリナの培養研究プロジェクトに参加したのは約5年前、静岡県掛川市でVUTEQ株式会社と協力してタベルモ事業をつくりました。そこでは研究リーダーとして生スピルリナ「タベルモ」の製品開発や培養条件の最適化検討に従事していましたが、その当時は、まさか自分が海外で、しかも生産会社の代表を務めることになるとは思いもしませんでした。私はスピルリナの培養やタベルモ生産のノウハウは持っていますが、英語がろくにできず、早速苦戦を強いられています。

そんな中、先日妻と2歳の息子もブルネイ入りしました。何を隠そう、妻も長年にわたってちとせ研究所に所属している、非常に優秀な研究員です。櫻田(注:妻は仕事上では旧姓「櫻田」を使っています)もタベルモの事業立ち上げに参加しており、この度、私と一緒にタベルモバイオファームへ移籍となりました。掛川時代は2人で悪戦苦闘の日々を送っていましたが、ブルネイでも再び夫婦でタッグを組むことになりました。夫婦で同じ会社にいて同じ仕事をしているため、ほぼ24時間一緒にいます。この夫婦関係はいろんな人にいろんな心配をされますが、とっても仲良くしています。もちろん喧嘩もしますが、家でも仕事の話ができたり、お互いの仕事やプライベートの状況を把握していたりと、なにかと便利だなと感じています。

ブルネイの自宅で撮影したのですが、ブルネイ感は皆無です。

ブルネイは赤道直下のボルネオ島にある三重県ほどの大きさの小さな国です。微細藻類は暑すぎると生育不良を起こしてしまうため、赤道直下で培養を行っている企業は意外と少ないですが、ブルネイの気候であっても、我々の培養技術はスピルリナを適応させることが可能です。熱帯でありながら、なぜか人々の生活圏には虫が少なく、O型である私が滞在3か月でまだ2か所しか蚊に刺さされていないという奇跡の国ブルネイで、太陽光をいっぱいに浴びた元気なスピルリナを沢山育てて、できるだけ早く日本にお届けしていきたいと思います。』

掛川時代の鈴鹿&櫻田。現場で大活躍してくれる、とても頼もしい夫婦です。

2歳のお子さんがいて夫婦共働き。ただでさえ大変なのに、一家でブルネイに移住して異国の地で子育て&ゼロからの生産立ち上げに挑むなんて、なんだかもう私には考えられません・・・。ブルネイへの出発前、櫻田に一人でも大変なのにお子さん連れて行くなんてほんと大変ですねと声をかけたら、「もはやなるようにしかならないって思ってます(笑)」と返されて、なんとも逞しく感じました。

最後に完全なる余談なのですが、私が人生で初めて降り立った海外はブルネイでした。小学3年生の時です。

目的地はオーストラリアのダーウィン・カカドゥ。使用した航空会社がブルネイ航空だったためブルネイでトランジットしたんです。行きはトランジットのみの滞在でしたが(つまり、正式には入国してないので初海外はオーストラリアという説も・・・)、帰りはブルネイに1泊。その際、ブルネイ国王が第二夫人のために作ったという夜だけ営業している遊園地(しかもタダ!)で遊びました。それが小3の私には夢のように楽しくて(だってタダなんですもん!)、ブルネイっていい国だなーという印象を持ったまま成長しました。祖母曰く、ブルネイに行った後しばらくの間「私ブルネイ国王の第◯夫人になる!」と言っていたそう・・。

まさか仕事でブルネイに関わる日がくるなんて、これまた夢のようです。

 

●バイオインフォマティクスの書籍を出版しました

株式会社日本バイオデータの代表緒方が、「バイオインフォマティクスを用いた研究開発のポイントと実例」というタイトルの書籍を出版しました。
http://www.johokiko.co.jp/publishing/BA180803.php

▶緒方のキャリア、日本バイオデータのことについては是非こちらの記事をご覧ください!
生物学者の視点でデータの意味を探り当てる -日本バイオデータとは-

バイオインフォマティクスの書籍というと手法が書かれたものを想像されるかと思いますが、この本は緒方自身のキャリアを反映し、データ解析から儲けを得るための方法を読み物形式で書いた少し珍しい切り口の書籍となっています。

緒方 法親:
『データ解析は回帰分析であれ機械学習であれコンピュータの中の話でしかありませんので、どこかで現実世界と繋げて利益を実体化しなくてはなりません。どこまでもデータ解析を進めていっても楽しいとは思うのですが、どのあたりでデータ解析をやめて現実世界の物をいじりはじめればいいのかバランス感が求められます。また、現実世界の物をいじるためにはリソースが必要ですので、できるだけ少ないリソースで現実世界の検証ができるようにデータ解析をデザインすることが効果的です。

そこで、データ解析を含む研究そのものよりも上位の構造の利害を調整するために役割を果たす、バイオインフォマティクスのマネジメントについて書くことにしました。

従って、コードを書いたり直接手を動かす時間のないマネジメントのための基礎知識として、バイオインフォマティクスの全体像を俯瞰するための技術手引書ではない通読できる読み物として仕上げています。』

撮影のために、上半身だけちゃんとしてきた緒方。
(写っていないズボンはゆるゆるのスウェットでした)

ちなみに、この書籍の原稿全12万字強(!)を緒方はiPhoneの「メモ」で執筆したそうです。

執筆時は首からかけるiPhoneを手ぶらで見れるグッズ(?)がフル活用されたのでしょうか。(何変なのつけて喜んでるんだ?と思い隠し撮りしました)

▶緒方の詳しい経歴や実績についてはこちら
researchmap:緒方 法親

 

●新しいメンバーをご紹介します

嬉しいことに、またまた新メンバーが加わりました。

アーサー、Hottopics用に写真頂戴と言ったらおもむろにこの写真を渡されました。風になびくアフロが気に入っているそうです(笑)映画のワンシーンのように見えなくもない・・・?

西崎アーサー(経営統括):
「大学卒業後勤めていた会社にて海外営業を担当しており、それを通して経理や法務に関わる仕事がしたいと思うようになりました。ただ、専門としての就業経験がないため、未経験でも問題ないという企業を探しており、もともと生物/薬学が好きな事もあってバイオやファーマ業界の会社が良いなとエージェントに相談していたところ、最初に見つけた会社がちとせでした。

面接を通じて、元々の希望である「経理や法務」に限らず、事業開発や語学を活かした仕事など職種の枠に囚われずに多岐に渡る業務に携われること、そしてグループ会社がどんどん増えていることから常に流動的な環境で仕事ができると感じて入社しました。

現時点で入社1ヶ月ですが、BtoC, BtoB両方に幅広い関わり方をさせていただいており、期待していた以上に経験が積めそうです。また率先して発言していくチャレンジングな社風も自分自身にとても合うと思っています。

余談ですが、1次面接の半分が日本酒の話(with 経営統括責任者の野本さん)だった事も決め手の一つでした。」

 

●今月のおすすめ記事

8月1日創刊のマイナビニュースの新メディア「NewsInsight」に、取材記事を掲載いただいたのでご紹介します。

ちとせグループ 代表の藤田、ちとせグループ 光合成事業統括責任者の中原、そしてタベルモ代表の佐々木の3名を取材いただき、とても充実した記事に仕上げていただいております。田中記者、素敵な記事を誠にありがとうございました!(実は、Twitter経由で私から田中記者にアプローチして今回の取材に至りました。快く会ってくださった田中記者に感謝です。)

なぜ今、藻なのか? – “タンパク質危機”の解決を目指す「タベルモ」の正体

 

編集後記

35度以上の猛暑日が続いた後、涼しいなぁと思い気温を見たら30度だったことがありました。30度って例年からすると決して涼しい気温ではないはずなのに、どうやらあまりの猛暑日続きに、基準がかわってしまっていたようです。

こうやって色んなことに対して、気づかぬ間に「基準のようなもの」が自分の中にできていることに気づきます。そしてその基準は常に変わりゆくということがなんだか面白いなーと思った時、ふと「諸行無常」という言葉を思い出しました。

不思議なもので、昔はあんなに「確固たるもの」に憧れたのに、今はどちらかというと「移ろいゆくもの」を許容し、その時その時を楽しめることの方が魅力的だと感じるようになりました。大人になるということは、「諸行無常」を受け入れるということなのかも?

次回のHottopicsは10月上旬を予定しております。
ご意見、ご感想、お問い合わせは「news@chitose-bio.com」まで!私が必ずお返事させていただきます。