「自分との闘い」から「相手がいる」研究へ

林宏恵さんが生まれた翌年の1987年、利根川進氏が日本人として初めてノーベル生理学・医学賞を受賞した。その後、世界での生物学に関する研究は大きな進展を遂げた。日本でも山中伸弥氏、大村智氏、大隅良典氏、本庶佑氏と、同賞の受賞が続いたことは、記憶に新しい。
2003年には、ヒトのゲノムの全塩基配列を解析する「ヒトゲノム計画」が完成。生命を遺伝子の働きとして研究可能にした画期的な出来事だ。当時、高校生だった林さんは、「将来いろいろな分野で役立つはず」と確信して、茨大農学部へ。博士課程の時には、「非コードDNA領域単独によるプラスミド分配システムの解析」という研究で、日本ゲノム微生物学会年会優秀発表賞を受賞した。受賞後、「研究成果が少しでも社会的に認知され、価値が上がることを願う」と応えたOGは、現在、研究者として食品開発にたずさわる。その材料は、藻だ。

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