2020年秋より、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託事業として、マレーシア クチンの石炭火力発電所 Sarawak Energyの敷地内に、世界最大規模となる5haの藻類生産設備の建設をすすめています。

▶関連するプレスリリースはこちら
バイオジェット燃料の普及に向けた5ha規模の藻類培養設備の構築および長期大規模培養の実証をマレーシアで開始〜NEDOの委託事業に採択〜
https://chitose-bio.com/jp/news/3514/

コロナや戦争の影響をもろにうけ、物資の輸送が遅れる/手に入らない等の理由で当初の予定より半年ほどスケジュールが遅れている状況ではありつつも、着実に完成に向けてすすむC4(我々が社内で呼んでいる名称でChitose Carbon Capture Centralの略です)の建設。

どのくらい進んでいるかは、なんとなんと、Google Mapで確認いただくことが可能…!

https://www.google.com/maps/place/Sejingkat+Power+Corporation/@1.639292,110.4607307,671m/data=!3m1!1e3!4m5!3m4!1s0x31fbae8526ddd47b:0xf4be64df526b1052!8m2!3d1.6376805!4d110.4638043?hl=ja-JP

Google Mapの航空写真ではわかりにくいのですが、2019年に公開した1,000㎡規模の藻類生産設備のようなフォトバイオリアクター(以下の写真)が50倍の規模で並んでいるところをイメージいただくといいかなと思います。

ちとせグループが設計・監修を行った、サラワク生物多様性センター(Sarawak Biodiversity Centre)敷地にある藻類生産設備 (マレーシア・サラワク州)
https://chitose-bio.com/jp/news/2657/

我々がMATSURIプロジェクト(※)を通じて本気で目指す、藻を基盤とした産業構造で成り立つ世界をつくるには最低でも2000ha、今回建設している設備の400倍規模の設備が必要。つまり、まだまだ生まれたてのヒヨコレベルではあるのですが、それでも、Google Mapで確認できるほどに巨大な設備を作っているのだという事実に感動せずにはいられない。

ここ数ヶ月、実際に現地に足を運んだメンバーも多く、まだ足を運んでいない私もそわそわするくらいに皆熱い感想を語っていたのでここでご紹介したいと思います!

◯CEO藤田(世界中から偉い人が集まるWEFのオンライン会議にうっかりパーカーで参加したしゃちょー)


年齢もキャリアもバラバラなちとせのメンバー達と、多様な人種で構成される現地の協力会社の皆様とが一緒になって「ここから世界を変えるんだ!世界が変わるんだ!」と皆が心の底から信じて、設備の拡張と格闘している現場は、ただその場に居るだけでこちらも心の底から力が漲ってくるような現場です。訪問するたびに徐々に最終的な姿に着実に近づくC4を見ながら、早くこの設備を世界中の人に見せて未来を共有したいという気持ちでいっぱいになります。
◯COO釘宮(最近、法務の人材が充実してきてちょっとだけほっとしているCOO。今ハマっているのは鎌倉殿)


9月の終わりに、3年ぶりにクチンに足を運びました。
クチンは人口約65万人を擁するサラワク州の州都で、C4は市街地を通り抜けて車で1時間の湿地帯にあります。
C4には、とにかく物凄いエネルギーが溢れています。
強い日差し。汗。笑い声。ボコボコと曝気音を立てるリアクター。藻の匂い。
3年前には用地どころかNEDO事業すら存在していなかったところから、パンデミックによる度重なるロックダウン、ウクライナ侵攻に伴う物流停滞、円高による予算見直しと、次々と降りかかる難題を何とかして、本当によくここまで形にしたものだと、ただただ驚かされました。


こんなところで農大生(知らない人)
◯Executive Officer 笠原(常にめちゃくちゃ忙しいはずなのにいつでもフットワーク軽く快く協力してくれる超人)


写真だけだと、すでにしっかりとした設計図が存在し、あとは作るだけのように見えますが、実際には、より効率的により安定な設備を作っていくための試行錯誤が続いていました。その検討作業は日中炎天下で行われます。私も滞在中現地で暑さ対策万全に作業を一部お手伝いしましたが、とても過酷でした。日本の工事現場で使われているようなファン付きジャケットなど色々と日本で買い込み、試しましたがどれも力不足でした。それでも皆さん明るく前向きに、現地の建設作業員や研究員と共に世界を変える設備を作っているという一体感を感じることができました。今後さらなる拡大に向けた継続的改善に期待が膨らみました!
◯MATSURIプロジェクトのPR/広報担当 並河(20数年前、サーフィン中にインドネシアの海のど真ん中で一人取り残されるも4時間かけて陸にたどり着いたという逸話をもつ男)


世界中の人々に“MATSURIプロジェクト”を知ってもらいたい!


はじめまして!MATSURIプロジェクトのPR/広報担当をしている並河です。
普段は裏側でコツコツとプロジェクトの情報発信やネタ作りなどに追われていますが、
先日、世界最大級の藻類生産設備建設を行っているマレーシア(クチン)に行ってきました!
その時の様子や是非読者の皆さまにお伝えしたい内容を書きたいと思います。


え?何が世界最大級??という声が聞こえてきそうなので、お伝えしておこうとおもいますが・・私たちが取り組んでいるMATSURIプロジェクトの根幹となる「藻」を世界最大規模で培養する設備のことです!「藻」は私達が普段使いしている「石油」「食品」「繊維」はもちろんですが、飛行機を飛ばす燃料やプラスチック、塗料等々、とても幅広い分野の代替原料と成り得るんですよ。


すごくないですか?その生産設備が現時点では約5ha(東京ドーム約1個分)まで出来上がっているということで、設備の壮大さや現場で働くメンバーの「熱い想い」を今後発信する動画や写真にしたくて行ってきちゃいました。


※想像を絶する日差しの中で作業するスタッフを撮影!(僕のお気に入り♬)
「藻」の産業を構築するために、泥だらけになり奮闘している様子です。



これは、世界最大規模の生産設備をドローン撮影した後、皆で確認しているところ!(最高のメンバー♬)自分たちが作り上げた設備の壮大さに動画を見ているスタッフも思わず笑顔が・・。



今回のマレーシア訪問では、世界最先端の技術を持ちながら世界最大規模の培養設備を作り上げている一部を取材してきましたが、日本に戻ってきてもワクワクが止まりません!
日本を代表する企業や行政と一緒に作っている“藻”由来の産業構築プロジェクトMATSURIを一人でも多くの方が応援してくれるきっかけになれば嬉しいです。
◯MATSURIプロジェクトの事務局担当 大嶋(往復52kmかけて自転車通勤していたほどの自転車好き)


藻類産業構築プロジェクトMATSURIにて、事務局を担当しています。たくさんのパートナー企業の担当者様とコミュニケーションを取っており、MATSURIに参画している、又はこれから参画する企業の方々にC4の現状を解像度高く伝えるために、現場を訪れ、また作業の一部を体験させてもらいました。C4は世界初の取り組みである為、組み立てに必要な丁度良い治具や工具が世の中には無く、道具等も手元にあるもので自作してしまいます。





写真は、その道具の一つを運ぶ現地駐在員の江口さんと私です(写真右)。高いお金をかければ専門の業者が作ってくれるのかもしれませんが、それでは建設コストが上がってしまうだけ。自分たちで試行錯誤し、端材でさえも部品に変えてしまう現地の方々の知恵には、ただただ脱帽です(帽子被ってますが)。一つ一つの作業が、新しい産業を構築することに繋がっているのだと肌で感じました。
◯知財担当 稲森(趣味は散歩で自宅周囲4km以内の道は路地裏まで全部歩きつぶした新卒入社3年目の若者)


世界最大規模の培養設備を作る中で、建設に携わるメンバーが様々な工夫を凝らしています。その工夫を特許にするために、私はこの設備を訪問しました。世界初の試みなので、計画段階では予測できなかったトラブルがいくつもあり、そしてそれを解決するための様々な試行錯誤が聞けて、とても興味深い時間でした。
また現地スタッフとちとせのメンバーが協力して建設に励む姿に大変刺激を受けました。
訪問当時は一部の設備を使ってのテスト培養が始まった段階でしたが、本格稼働して、培養設備が緑一色になる日が楽しみです。

実は現在、このプロジェクトに関するとっても素敵な紹介動画を作成しています。
もうすぐお披露目できる予定なのでぜひ楽しみにしていてください・・・!




※MATSURIプロジェクトとは
https://matsuri.chitose-bio.com/
日本を代表する企業・行政群と共にこれまで誰も成し得なかった藻類産業を構築するプロジェクト。藻類の大規模生産と事業化に強みをもつちとせグループが主体となり、産業の構築に必要となる様々な役割を担う企業等と共に行う取り組みです。MATSURIの名の通り、人類史上に残るお祭りとするべく、藻類の活用を通じたサステナブルな社会づくりを構築します。