生き物由来のモノづくりという夢

末松 ちとせグループは創業して10年余りの若い会社ですが、既に藻類を中心とするバイオベンチャー群の中では国際的にも注目度の高い企業に成長しています。藤田社長がこの分野に関心を持ち、ビジネスをしてみようと思った経緯から、お願いできましたら。

藤田 私は子どものころから生き物が好きで、水槽を30個以上も並べていろいろな動植物を育てる少年期を過ごし、その頃から将来は生き物からいろいろなものをつくってみたいと考えていました。その延長で東京大学農学部に進んで研究してきたのですが、卒業段階ではまず世の中のお金の動きを理解する必要があると考え外資系のコンサル会社に就職、5年半在職し30歳目前になって年来の夢であるバイオのモノづくりに進むべく、品種改良の技術を活用するベンチャー企業に入りました。私は大学で進化学を専攻していたのですが、ちょうどそのベンチャー企業も進化学を研究された先生が創業したもので、私が入社すれば何らかの役に立てるのではないかと。これが現・ちとせ研究所の前進にあたるネオ・モルガン研究所です。

この会社は私が入社する2年前の設立なのですが、入社後も低空飛行が続き、そこへ08年にリーマンショックが起きて、いよいよベンチャーキャピタルが同社をつぶそうとするところまで追い込まれました。そこで私が会社を買い取る決断をし、方々から借金して1億4000万円の現預金と同額で会社を買った次第です。その後1年で経営を黒字化させ、いよいよバイオのモノづくりに本腰を入れるべく11年にシンガポールに統括会社を設立し、グループ経営をスタート。その後社名を〝ちとせ〟に改めてちとせグループとして再スタートを切りました。

■続きはこちらよりご覧ください。(時評のサイトに移動します)