生き物たちの力を借りて豊かな未来をつくるバイオベンチャー企業群、ちとせグループ。このシリーズでは、企業という有機体を構成するひとつひとつの細胞である「ひと」にフォーカスを当て、ちとせの全体像を描いていきます。

林愛子(はやしあいこ)
Tech & Biz Development Div.所属/2019年9月入社
University of Tasmania PhD. Biological Science


ちとせグループ Tech & Biz Development 所属、MATSURIプロジェクトではパートナー企業とのコミュニケーションを担当。オーストラリア、タスマニア大学でBiological Scienceの博士号を取得後、2019年9月にちとせグループに入社。坂道系のような可憐さで、新しいグローバル産業を生み出すべく、今日も国内外のトップ企業に果敢に切り込んでいく。


1日の流れ
7:30AM 起床、身支度
9:30AM 業務開始、共同研究に係る業務や提案作り、社内打ち合わせ、MATSURIパートナー企業との会議、MATSURIのご紹介(国内外)
※休憩時間はお散歩(在宅勤務時)や天気が良い日は外でピクニック。
5:30PM 業務終了
6:00PM 帰宅、夕食や翌日の準備、リラックスタイム
11:00PM 就寝


日本の高校から海外の大学、そしてちとせへ

高校生の頃にオーストラリアとイギリスでショートステイする機会があり、当時から環境問題に関心を持っていた私は、一次情報にアクセスしやすい英語でサイエンスを学ぶことに強い興味を持ちました。とりわけオーストラリアは環境分野のトップランナー。日本からも比較的近く、時差もない、タスマニアの環境も大好きでその地の大学に進学したいと決意しました。

学ではMarine Science(海洋科学)を専攻し、博士課程では藻類の毒とカビの毒を同時に摂取した際に生じる人体への影響について研究をしていましたが、藻類自体に興味を持ったのは、実は素朴な理由からでした。顕微鏡で珪藻を覗いたとき自然界にこれほど美しいものが存在するのかと心奪われたことがきっかけです。

珪藻の顕微鏡写真、イメージ

いい意味で「尖った人」が集まる会社

博士号まで取得しましたがその後はアカデミアに残るのではなく、自分が学んだことを実社会にソリューションとして組み込んでいくことに強く関心を持ちました。就職活動先の1つとして日本を考え、調べるうちにちとせ研究所という会社に出会いました。藻類や細胞、発酵など、バイオの力で社会課題に向き合ってるこの会社は自分とぴったりだと感じ、応募を決めたのです。

選考から見えてくるちとせ像は、いい意味で「尖った人」がたくさんいるということ。藻類事業統括責任者の星野さんが面接中に哲学的な話を展開したり、社長の藤田さんからは「林さんは日本の大企業向いてないよ!」とストレートに言われてお互いに笑ってしまったり、面接でのやり取りから面白いと思わせる社風が垣間見え、こういった所ならのびのびと自分を表現できるはずだと、期待が高まったことを覚えています。入社後もその印象は変わらず、誰かに忖度したり、意見の衝突にひるんだりすることなく、高い志を持つ者同士ならではの風通しの良さを感じます。

世界銀行のプロジェクトを担当、海外企業とのやりとりの最前線に立つ難しさ

入社後はProject Designという部署に配属になりました。まずは業務に慣れるため、しばらくは社内で進行中のプロジェクトを幅広く勉強させてもらい、そこから少しずつ各プロジェクトの進行状況やコスト面での管理などの一旦を担うようになりました。 

初めて独り立ちしたと言える仕事は、入社1年半後に担当した世界銀行とのプロジェクトです。アフリカの理系大学での研究の事業化をサポートをするというもので、3本立ての研究内容の1つにコンサル的な役割で携わりました。プロジェクトの中のプロジェクト、という小さな単位のものでしたが、初めてお仕事を一つの塊で任せていただけたことがとても嬉しかったです。一方で、海外とのやりとりの最前線に立つ難しさにも直面しました。

コロナ禍だったため、本来であれば現地を訪れて進めるはずの仕事も、全てオンラインで行う必要がありました。現地とのビジネス文化の違いや、単純にアフリカ側のネットインフラの脆弱さに想像以上に苦戦しました。遅々として進まないやり取りの中、やっとのことでミーティングを組んでも、回線が繋がらず向こうが入れないという状況に陥ったり、時差を乗り越えて夜中に待機していてもミーティングの約束自体を忘れられてしまうなど、いろいろとな困難がありました。

仕方ないこととは理解しつつもフラストレーションを感じていましたが、そんな時はフッと肩の力を抜くように周囲が声をかけてくれたり、また先輩が背後に控えてくれているという安心感を感じたりしながら、少しずつでも進めようという前向きな気持ちになりました。

他愛のないことで仲間と笑顔を交わす瞬間に肩の力が抜ける


新しい産業が生まれていく瞬間を見た

現在はMATSURIプロジェクトの一員として、「藻類でなにかやりたい」と言ってくださる企業様の要望を聞き、ちとせとしてのソリューションを提案する業務を行っています。その一環として今年5月にマレーシア、サラワク州で執り行われた、CHITOSE Carbon Capture Central (C4) ※の開所披露会に参加してきました。
※世界最大規模のフラットパネル型微細藻類生産設備

開所披露会では来賓の方々にMATSURIプロジェクトをご紹介するという役割を仰せつかったのですが、サラワク州首相に私たちの目指す世界観についてご説明したところ、州首相からは「新しい産業の土台をサラワクから作っていこう」と力強い言葉を直々にいただきました。

また実際の施設を目にしたMATSURIパートナー企業の方々からは祝辞をいただくに留まらず、次の100haに向けて自社のケイパビリティを模索したり、次の候補地について話しあったり、より前のめりにどんなことで貢献できるかといったお話をいただいたりもしました。

それは正に新しい産業が生まれていく瞬間で、PCのスクリーン上で見ていた5ha、100ha、2000ha、1,000万haという数字は夢物語ではないのだということを実感しました。なによりその感覚は私だけのものではなく、その場にいたパートナー企業様も同様に自分ごととして受け止めてくださったことが嬉しく、大きな手ごたえを感じています。

どのレイヤーにも必ず受け皿になってくれる人がいる

私たちは前例のないものを作っています。そこにチャレンジしていく人の集まりがちとせという会社です。社長を筆頭に上層部は「今まで誰もやったことないことなのだから、失敗は当たり前のこと」と大きな懐でいてくれます。

またある上司からは「もしXXになっても大丈夫」「何とかする」という言葉をかけていただくことがあります。場合によっては無責任に聞こえる台詞かもしれませんが、自分が信頼している人から発されると、本当に大丈夫なのだと不思議と思える力になるのです。

不安になったときにちらっと見ると親指を立てて頷いてくれる人がいたり、取引先であまり上手な説明ができなかったと感じたときはどこからともなく現れて補足をしてくれる人がいたり。ちとせではどのレイヤーにも、見放すことなく受け皿になってくれる人がいます。これは互いに信頼し、支えあってきた歴史の中で培われてきた文化なのだと思います。

社長の藤田、サラワク州首相、林本人が写った写真が現地新聞に大きく掲載された

応募を考えている人へのメッセージ

社会課題に対して強い想いを持っている人、気候変動に関心のあるひと、また新しいことにチャレンジしたい人はちとせと相性が合うと思います。

藻類で燃料、食品やアクセサリーを作ったり、アフリカの大学の研究事業化をサポートしたり、東南アジアや八ヶ岳で農業をしたり、スポーツ選手のフィジカルコンディションをサポートしたり、本当に幅広いことに挑戦させてもらえるのがちとせの面白いところです。

また関わり方も様々で、私のように取引先とのやりとりを担うビジネス系、ビジネスのベースとなるテクノロジーを作る仕事、それを支えてくれるバックオフィス。ちとせにはいま、「できること」、「やりたいこと」、「やらねばならないこと」が溢れています。面談や面接という形でもよいので、ぜひ一度ちとせの中の人と話してみてほしいです。そして少しでも興味を持ったらぜひ選考を受けてみてほしい。

はっきり言えるのは、迷わずゴー!


インタビューの様子は、こちらからもご覧いただけます。

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