本稿は、株式会社シーエムシー出版の書籍『月刊BIOINDUSTTRY 2026年1月号』新春特集 微細藻類の産業利用に寄稿した原稿を、許可を得て転載したものです。
佐藤耕平 / Senior BioEnginer
微細藻類由来をはじめとしたバイオ原料が化石資源を代替することが求められており、広く商業活用するためにはその需要を満たすため大規模な生産が求められる。産業として安定的に微細藻類を商業活用するためには1つの原料から多様な用途を見出しその開発が必要である。本稿では微細藻類の大規模生産施設の構築と用途開発について述べる。
1 はじめに
微細藻類を活用した光合成基点の産業構築を推進するため、株式会社ちとせ研究所(以下ちとせ)は国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(New Energy and Industrial Technology Development Organization/NEDO)事業を活用し、2023年にフラットパネル型フォトバイオリアクター(FP-PBR)を採用したものとしては世界最大級の培養面積約5 haの微細藻類生産施設の運用を開始した。現在はその運用と並行し、この施設から得られた知見に基づいて100 ha規模の微細藻類生産施設の構築に取り組んでいる。
同時に、ちとせは微細藻類を活用した多様な商業用途の開発にも取り組んでいる。ボツリオコッカス(Botryococcus braunii)が生成するボツリオコッセンの接触分解によって得られたp-キシレンを原料に100 %バイオ由来(70 %微細藻類由来)のPET樹脂などは、そうした開発成果の一つである。
本稿では、大規模生産施設の構築に向けた取り組みを紹介するとともに、最新の用途開発成果である微細藻類由来のテレフタル酸を用いたPET樹脂開発について紹介する。
2 大規模微細藻類生産と用途多様化の必要性
CO2排出量の削減という観点から原料や燃料のバイオ化が求められており、その中で微細藻類は注目を集めている。従来の化石資源の代替として商業活用されるためには、その需要を満たすだけのバイオマス生産量が求められ、またそのバイオマス生産時にCO2を吸収することが求められる。加えて原油からガソリン、重油などの燃料や、プラスチック、衣類など多様な用途が生み出されているのと同様に、産業として安定的に微細藻類を活用するため、多様な用途で活用される必要がある。
バイオ由来の原料の多くは光合成によりCO2を吸収し、最終製品として利用され処分されるまでに排出されるCO2がネットゼロになることが期待される。例えば航空業界においてはInternational Civil Aviation Organization(ICAO/国際民間航空機関)が、「国際航空の炭素排出量をネットゼロにする」という国際的な目標を採択した(1。化石資源の代替としてバイオ由来の原料を活用し、CO2排出量を削減するためには、光合成基点の産業構築を行う必要がある。
産業として成立するためにどの程度バイオ原料を生産する必要があるか、その需要について航空燃料を例に検討を進める。日本国内においては航空法第131条の2の7に基づき航空脱炭素化推進基本方針が策定され、政府が実施すべき施策に関する基本的な方針の中で、本邦航空運送事業者による燃料使用量の10 %を再生可能航空燃料(Sustainable Aviation Fuel, SAF)に置き換えるという目標が掲げられた。
実際に10 %の燃料をSAFで置き換えるのに必要な量について検討する。2023年は日本国内線が862,699便飛行しており、国内有償定期便において約400万 kLのジェット燃料が給油された(2。給油量の一例を挙げると、2023年ある日のフライトプランでは東京羽田→函館便・ボーイング767型機で飛行する際に搭載した燃料は22,600 lbs(10251.2 kg)であり、地上走行を含む東京・函館間では11,800 lbsの消費が見込まれていた(3、微細藻類由来SAFに置き換えるために、ボツリオコッカス(Botryococcus braunii)を用いて微細藻類生産を行ったと仮定すると、ちとせ試算では約9,200 ha以上の微細藻類生産が必要となる計算である。この需要量のうち10 %でも微細藻類由来とするためには、現在ちとせが運用する微細藻類生産施設の約180倍規模で微細藻類を生産する必要がある。国土交通省の予測では国内航空会社の国際線フライトへの給油量も含め200年SAF需要量を88万 kLと見積もっており、実際の需要量はさらに多い(3。
このように数字を追うとSAFをターゲットに生産規模を拡大するとよいように考えられるが、市場経済は必ずしも安定的ではない。例えば新型コロナウイルス感染症により国際的な行動制限が行われた際に、航空燃料となるケロシンはシンガポール市場で2019年の間は75~82 USD/1バレルの範囲で推移していたにも関わらず22.338 USD/1バレル(2020年4月)と最安値をつけた。こうした状況下でも原油を活用した産業が破壊されなかったのは、原油が多様な用途を持っていることが1つ要因として挙げられる。
微細藻類を大規模に生産し、商業的に活用していくためには産業として経済合理性を満たしている必要がある。例えば、モデル種として学術的にも産業的にも広く使用される緑藻種、クラミドモナス(Chlamydomonas reinhardtii)、はタンパク質47 %、脂質25 %、炭水化物20 %を含む(5。このうち脂質のみが商業的に活用された場合はバイオマス中の25 %のみ経済的価値が生まれるが、それぞれを分離し、タンパク質、炭水化物も活用できた場合、バイオマスの92 %に経済的価値が生まれる。バイオマス1 kgあたり約360円(2.01ユーロ)と仮定して(6、脂質のみを活用した場合、250 gの脂質は360円となり、1 kgの脂質を得るのに1,440円となる。タンパク質、炭水化物にも経済的価値が生まれた場合、250 gの脂質は90円となり、1 kgあたり360円と1/4の価格となる。他の微細藻類種を活用する場合にも同様に、それぞれの微細藻類がもつ成分をできる限り活用することで、経済合理性を伴った微細藻類の活用ができると考えられる。
微細藻類から抽出した脂質を活用するにあたっては、芳香族化合物は航空燃料への混合量に規定があるためすべてを燃料として活用できる訳ではない(7。芳香族化合物はプラスチックなど樹脂原料として活用されることが多く、微細藻類の活用においてもその観点で活用幅を広げる必要がある。例えばプラスチックは世界で38億トン(8生産され、これらに対するバイオ由来原料の需要を満たすことができればより経済合理性を高めることができる。
光合成基点の産業構築を微細藻類により行うためには、世界的なバイオ由来原料の需要に応えるため大規模かつ安定的に生産できる生産施設を構築することが必要である。加えて微細藻類のポテンシャルを完全に引き出し、これまでの化石資源由来の製品同様に単一ではなく、多様な用途を見出して微細藻類の活用が経済合理性を伴ったものにする必要がある。
まずは大規模生産に対する取り組みについて紹介する。
3 大規模生産施設の構築
冒頭に紹介した5 ha規模の微細藻類施設においては様々な微細藻類に関する実証を行っている。この施設は北緯1度の赤道に近い場所、マレーシアのサラワク州に位置し、この地域は年間を通じて気温が安定し、台風などの自然災害が非常に少ない地域である。前述した微細藻類の世界的需要に対してはわずかな規模ではあるが、本施設が世界最大規模のFP-PBR型微細藻類生産施設となる。
微細藻類需要の増大や安定的な生産の実証に向け、2027年にはパイロットスケールとして100 ha規模の微細藻類生産施設を構築する。これも同様にマレーシア、サラワク州にFP-PBR型を採用し構築する。経済性と生産性を両立するために培養制御はもとより、微細藻類の展開、収穫、抽出、精製の各過程において自動化を念頭に置いた設計と配置、効率的な運用が可能な設備とする。例えば自動車工場が多くの工程でロボットを活用し、その生産フローが確立しているのと同じように、生産工場としての経済性と省エネルギー性も考慮した設計となる。
現在進めている100 ha規模の微細藻類生産施設においては、このような要求を念頭に、各種センサーデータやポンプ等の機器動作状況を可視化し、これらデータに基づいた自動制御可能な形を構築する予定である。常時変動する屋外環境に対応することの困難があると同時に、これまでバイオロジー、バイオメトリクスを専門としてきた我々にとって、対候性を持ったセンシング機材の開発、長大な屋外配管の設計や最適なプラント設備の選定など多くの課題が存在する。そこで光合成起点の産業構築を行う事業連携イニシアチブ、MATSURI、のもと、ちとせは多くのプラント設備や生産設備を構築してきたパートナーと共に設計や開発を進めている。このMATSURIイニシアチブには原料から最終製品に至るまでのサプライチェーンを構成する多様な企業が参画し、2025年10月31日現在で117機関が参画している。
4 大規模生産におけるメトリクス
生物を活用して商業的な生産を行う場合、そのコントロールが非常に重要となる。屋外生産、生産規模という点で5 haや100 haにおける微細藻類生産に近いであろう農業生産において、近年省力化に加えデータ駆動による効率化が求められている。その実現のため多様な技術が活用されており、Unmanned Aerial Vehicle(UAV/無人航空機)や衛星画像に基づくNormalized Difference Vegetation Index(NDVI/正規化差植生指数)による生育状況の可視化や、各種センサーデータに基づく潅水制御などが行われる。多数の個体のパラメータを同時に取得しなければならない植物育種においても、個体情報をUAV等を用いて広域からデータを収集し、特徴量を抽出、遺伝情報と併せた選抜(9が行われることでその効率化、高速化が行われる。データ駆動型の農業生産や植物育種においては広域な圃場管理情報のほか、生物に関する詳細情報の把握が重要であり、センシング技術の活用は必須となる。
これまでちとせが取り組んできた発酵生産の場面においても、温度やpH、Feed速度などのパラメータがそれぞれ制御され、生産コントロールが行われる。ちとせでは最適な生産の実現に向け、これまで活用されなかったセンシングデータを含め取得パラメータに基づいた機械学習や培養制御を行った(10。代表例ではユーザー企業との共同研究において発酵による物質生産量を、センシングと機械学習、自動制御によってユーザー企業における従来の最高条件から2倍の生産量を達成した。
発酵生産に対するセンシングや機械学習、自動制御の知見と、微細藻類の培養技術やこれまでの運用に対する知見を組み合わせ、より微細藻類のポテンシャルを引き出し、生産性や培養安定性の向上により、大規模生産における経済的価値向上を目指す。こうしたデータ駆動型の生物生産制御はこれまでの生物生産に対する大きな変化であり、将来的な微細藻類の大規模生産においても欠かせないものとなると考えられる。
UAVはこれまで橋梁点検や堤防の点検等、広範囲の領域における情報取得や異常検知に活用されている(11。大規模生産において、その設備状態を点検だけであっても相当な労力を必要とすることから、センシングや培養制御だけではなく、設備管理という点にもフォーカスを当て活用する。
培養情報をセンシングするにあたって、これまで発酵生産で活用していたChitose-Multi Sensor(CMS)を改良し屋外向けに開発設計を行うとともに、各種モジュールについても改良や新規開発を進めている(図1)。Chitose-Multi Sensorとは各種センサーのパラメータをリアルタイムに取得し、クラウド上にアップロードする機器、仕組みであり、これまでの運用実績をもとに微細藻類の大規模生産に向けて導入を決定した。センシングにあたっては、これまでの発酵タンク向けとは異なり、FP-PBRに合わせた形状のセンサーを設計、開発しその導入を進めている。

すべてのFP-PBRにセンサー等を導入すると非常に高コストな設備となってしまう。そこで一部のFP-PBRにおいてセンシングを行い、モデル化を実施した上で生産に反映させる。温度管理等にはUAVを用いて情報取得を行い、各PBRプロットの最適制御を行うことで経済性を担保するとともに、微細藻類培養の安定性、生産性の向上を目指している。
CMSから得られたデータはリアルタイムに送信され、クラウド上で管理、生産予測が行われる。そのためには広大な屋外の生産設備においてネットワークを含めたデータ取得インフラを整備する必要がある。無線を活用したインフラとしてWiFiの活用が考えられるが、一般的に屋外においてはWiFiの5.2 Ghz帯は各種レーダーと周波数帯が競合することから利用が制限され活用幅が狭まる。加えてFP-PBRはその構造上電波を減衰させる要因となることが多く、安定した通信が難しい。
そこで現在実証中の5 ha規模のFP-PBR型生産施設においては、Low Power Wide Area-network(LPWA)を活用し、各種センサーからのデータ取得を行っている。LPWAの特徴として、低消費電力かつ、長距離通信(数 km~数10 km)、大量の機器接続が可能である。WiFiと比べ電波が回り込みやすい周波数帯を活用するため、長距離や電波を阻害しやすい環境であっても活用しやすい規格となっている。データ送信可能なサイズはWiFiや4 G/5 Gといった通信規格と比べると劣るものの、通信コストが低廉であり活用可能な幅が広い。この通信仕様は農業や水産分野でも活用が進みつつあり、今後微細藻類向けのネットワークインフラの一部として組み込まれることが期待される。
このように収集されたデータから各種培養状況の可視化とその最適制御値の提案が可能となる。これらデータは生産予測データ、品質管理データとして遠隔地から確認し、必要な指示を出せると同時に安定的な供給を可能とするインフラとなる。これまで発酵生産で培われた培養最適化技術に加え、先端的なデータ転送インフラ、微細藻類の大規模生産に最適化したセンシング技術を組み合わせることで、現在構築中の100 haはもとより、今後の商業生産を見据えた技術設計とし、微細藻類生産の先端的な「工場」としての役割を担える仕組みづくりを進めている。
5 微細藻類由来バイオマスの用途多様化とその必要性 ーPET樹脂を例に
微細藻類を大規模に生産し、その活用を進めるためにはその用途について深く検討する必要がある。先述した通り、微細藻類には多くの成分が含まれており、微細藻類バイオマスを余すことなく活用することでその経済合理性を高められる。脂質成分を1つとっても燃料から塗料、プラスチックと多様な用途が考えられる。これら用途を開発することで、単一のターゲットにフォーカスせず化石資源産業のように安定的かつ持続的なものになると考えられる。
光合成基点の産業構築を行うためにはあらゆる原料をバイオ化し、そこに対して経済合理性が求められる。ちとせではその用途についてもあらゆる方向性をもって開発を進めており、今回その1つとして微細藻類由来のポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂の製造に成功した。本稿では用途開発の一例として紹介する。
PETは(C10H8O4)nで表される高分子化合物であり、テレフタル酸とエチレングリコールの縮合重合によりつくられる。熱可塑性樹脂に分類されその結晶性から熱にも強く、透明性や強度に優れガスバリア性が良いことから多様な用途に活用され、飲料容器としても身近に用いられている。一般的な製造方法として、テレフタル酸ジメチルあるいはテレフタル酸とエチレングリコールを原料にエステル化する方法と、エステル交換する方法のどちらかを行いエチレンテレフタレートを重縮合する方法が挙げられる。
これら原料のバイオ化は2000年代後半より試みられており、例えば2009年にはコカ・コーラ社が「プラントボトル」と呼ばれる30 %バイオベースの飲料ボトルを発売した。これはバイオ由来のエチレングリコールと石油由来のテレフタル酸を用いて合成されたものである。エチレングリコールをバイオ由来で生産することは既に商業化が実現している(12。
一方、テレフタル酸をバイオ由来で合成することはこれまで困難であった。その前駆体であるp-キシレンは生物毒性を示すことが知られており(13、生物は同物質の生合成経路を有していない。そのため類似成分から複数の化学変換工程を経てテレフタル酸を合成する必要がある。
テレフタル酸をバイオ由来で生産するための一例として、糖を原料に生産する方法がある。イソブタノールを発酵により得たのち、脱水、二量化工程を経てp-キシレンが合成される。それを酸化させることでテレフタル酸が合成される。この他にもムコン酸やリモネンの前駆体であるp-シメンに端を発した合成法によってテレフタル酸が合成される手法が存在する(14。
今回PET樹脂の試作にあたってはボツリオコッカスが生成する炭化水素、ボツリオコッセンC34H58を主成分とする炭化水素油を用いた。ボツリオコッセンを用いた接触分解では多様な芳香族化合物が生成される。今回ターゲットとしたp-キシレンのほか、トルエン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼンなどが得られ、p-,m-キシレンは12 %程度生成されることが報告されている(15。これら成分は石油化学工業においても重要な物質であり、PET以外にも様々な物質が生成可能であることを示唆している。
p-キシレンがボツリオコッセンの分解によって生成可能であることは、PET樹脂生産をバイオ化する上で非常に有用である。今回ちとせではPET樹脂合成に耐えうる高純度のp-キシレンをボツリオコッカス由来で作り出した。この試作には十分量のバイオマスが必要であり、大規模生産施設により生産したボツリオコッカスによって成し得たものである。
ここで得られたp-キシレンを酸化しテレフタル酸を得ることでPETの原料となる。この生産方法は接触分解と高純度精製のみであり、これまで試みられてきた脱水、二量化といった化学変換工程が不要であるため、石油化学由来のテレフタル酸合成工程と大きく変わらない。
微細藻類由来のテレフタル酸とバイオ由来のエチレングリコールを用いて、PET樹脂の試作を行った。PETの繰り返し単位を考慮すると、分子量に対して約70 %の微細藻類由来のテレフタル酸と約30 %のバイオ由来エチレングリコールを用いており、バイオ由来100 %、微細藻類由来約70 %のPET樹脂が完成した。これは2025年日本国際博覧会 日本館で展示された(図2)。

これは微細藻類の活用を拡大する第一歩であり、製品化に向けてはp-キシレンの収率を高めるなどにより生産コストの改善が見込まれる。化学変換工程の収率向上やそのプラントの構築、大規模生産による低コストでの生産など開発要素が多々ある一方で、これらを実現すれば経済合理性を伴った製品となる可能性が高い。
今回これまで微細藻類の用途として新たにPET樹脂が加わったことにより、微細藻類から得られる脂質成分の活用の幅が広がった。今回用いたp-キシレンのような芳香族化合物はSAFに混合する際に除去が必要となる場合がある物質であり、その用途が検討されることで経済合理性を高めることが可能になる。
今回紹介したPET樹脂をはじめ身近な製品の多くは化石資源由来の製品である。化石資源の多くは燃料としての活用の他にその副生成物を基にした製品が多くあり、微細藻類の活用においてもそれらを含めた用途を検討する必要がある。
本稿では用途開発の状況についてPET樹脂を例に挙げたが、弊社やMATSURIイニシアチブにおける共同開発パートナーはこの他の用途についても積極的に開発を進めている。微細藻類を余すことなく活用し微細藻類由来の多様な製品を世に生み出していくことで、微細藻類生産とその活用が産業として成立し安定的なものになるよう目指している(図3)。

6 まとめ
本稿では、微細藻類の活用と化石資源の代替という観点からその需要量を満たすために大規模生産の必要性と用途開発の必要性について論じた。
ちとせでは大規模生産と用途開発を並行して研究開発を進めており、微細藻類を活用した光合成基点の産業構築を推し進めている。大規模生産にあたってはこれまでのバイオメトリクス的知見を活かしながら微細藻類生産の最適化が可能な仕様を構築している。用途開発にあたっても化石資源由来製品がそうであるように、微細藻類が持つ脂質、タンパク質、炭水化物を余すことなく活用することで経済合理性を高め、産業として安定的に供給できるようにするための開発を進めている。その一例として世界初の微細藻類由来PET樹脂について紹介した。
微細藻類を活用した光合成基点の産業構築を成すため、大規模生産、用途開発の両輪を回すため、MATSURIイニシアチブに参画するパートナーと共にこれら課題に取り組み開発を推し進めている。
〈参考文献〉
1. Kazuhisa, M. et al., Energy & fuels 28.11, 6999 (2014)
2. 国土交通省, 航空輸送統計調査, e-stat (2024)
3. 運輸安全委員会, 航空重大インシデント調査報告書, AI2025-3-1-JA614J (2025)
4. 国土交通省航空局, 第4回 SAFの導入促進に向けた官民協議会 説明資料(2024)
5. Darwish, Randa, et al., Applied Sciences 10.19, 6736 (2020)
6. Branco-Vieira, Monique, et al., Energy Reports 6, 325 (2020)
7. 一般社団法人 日本海事検定協会, 持続可能な航空燃料(SAF)の品質規格と試験(2023)
8. 高原淳ほか,化学と教育 70.10, 480 (2022)
9. Sakurai, K et al., The Plant Genome, 15(4), e20244 (2022)
10. 河合哲志, 生物工学会誌, 5, 192 (2025)
11. 渡邊康玄ほか, 河川技術論文集 30, 589 (2024)
12. Van Uytvanck, P. P., et al., ACS Sustainable Chemistry & Engineering, 2.5, 1098 (2014)
13. Rajan, Sharada T. et al., Journal of clinical and diagnostic research 8.2 271(2014)
14. Nakajima, H et al., Polymers, 9(10), 523 (2017)
15. 北里元ほか, 石油学会誌, 32.1, 28 (1989)

