「これ、うちが参加しているMATSURIなんです!」

7月8日、郵船商事さんが主催した「技術懇親会」。日本郵船グループ企業や舶用機器メーカーなど、ゲスト約300人が集まったその会場で、そんな誇らしげな声が聞こえてきました。語ってくれていたのは、郵船商事社内のMATSURI担当者ではありません。会場にいた、同社のさまざまな部署の社員の皆さんでした。

なぜ郵船商事の皆さんが、MATSURIを「自分事」としてお話してくれたのか。

その裏側にある「美味しい仕掛け」と当日繰り広げられたストーリーを、MATSURI実行委員の福田がレポートします!

 「地球を気遣う」想いを、手土産に乗せて

郵船商事さんは、自社HPのサステナビリティページに「地球を気遣う」という言葉を掲げています。脱炭素や持続可能な社会の実現に向けた挑戦の一つとして、2023年7月からMATSURIに参画し、2025年1月には出資もいただくなど、継続的に関わっていただいています。現在は、藻類由来の燃料で船を動かすという未来に向け、長いロードマップを一歩ずつ歩んでいる最中です。

そんな中、郵船商事さんから「MATSURIと藻類について、もっと社内外に広めていきたい」という嬉しい相談をいただきました。そこで、郵船商事さんがグループ企業や大切なお客様をご招待する「技術懇親会」で、「手土産MATSURI」を導入しよう!という話になったんです。

「手土産MATSURI」とは、普段何気なく選んでいる手土産を、未来へのストーリーや企業のメッセージが込められた一品に置き換える、MATSURIの取り組みのひとつです。受け取った方に「これ何だろう?」とワクワクしてもらい、そこから会話が弾んで活動を知っていただくきっかけをつくります。

今回は、郵船商事さんとアイデアを出し合い、記念品としての「藻のあられ」の配布と「藻ヨネーズ」(藻類入りのマヨネーズ風ソース)の試食出展という形で、特別な手土産と体験をご用意することになりました。

郵船商事のMATSURI窓口としていつも伴走してくださっている 白石さんと、穆さんが社内で動いてくださり、「展示や試食だけでは伝わらないMATSURIの想いや取り組みもぜひ、皆さんに届けましょう」と、MATSURIをご紹介する機会をつくってくださいました。

左より、郵船商事 白石さん、穆さん、ちとせ研究所 柳町。作戦会議中の様子。

「我慢のサステナビリティ」から、「ビジネスを動かす転換」へ

そして迎えた当日、郵船商事さんの梅原社長が、スピーチの中で「持続可能な未来に向けた新たな挑戦」としてMATSURIへの参画をご紹介くださいました。こんな風に公式にMATSURIをウェルカムしてもらえるなんて……!スタートからなんだか私まで誇らしくて、嬉しくなっちゃいました。

写真左:MATSURIのご紹介をしてくださっている梅原社長と緊張の面持ちの柳町。 写真右:スピーチが始まり、緊張がほぐれた笑顔の柳町。

社長からのバトンを受け取って壇上に上がった柳町。冒頭で切り出したのは、ちょっと意外な「個人的な告白」でした。

柳町は、高校生の頃からサーフィンが大好きな海人間。でも、自分の肌を守る日焼け止めが、サンゴの白化に影響を与えてしまっているかもしれないという研究報告を知った時、すごくショックを受けたそうです。「海が大好きなのに、自分が海に負荷をかけてしまっている」というジレンマをずっと抱えてきたと言います。

私たちの暮らしになくてはならない物流インフラを力強く支えながら、同時に地球の環境にも本気で向き合おうとしている郵船商事さん。「地球を気遣う」という言葉に触れ、その気遣う相手のスケールの大きさに圧倒されたそうです。だからこそ、続く柳町のスピーチにも自然と熱が入ります。

「今、世の中のサステナビリティは、何かを『我慢』することになってはいないでしょうか。しかし、主力事業の利益を生まない『我慢』は長続きしません。

今求められているのは、我慢を強いる環境活動ではなく、社会のインフラを力強く動かしながら、同時に次の時代の新しい市場を牽引し、皆で儲けていく仕組みそのものの変革です。それこそが、“誰も我慢しない”、本質的な転換です。」

この「本質的な転換」は、単なる環境活動に留まりません。技術部門や営業、企画や新規事業、管理まで、社内の誰もが当事者として関われる大きなチャンスでもあります。

美味しい一口に込めた「実感」

とはいえ、「我慢しないサステナビリティ」も「微細藻類の可能性」も、言葉で聞くだけではどこか遠い世界の話に聞こえるかもしれません。

だからこそ、今回の手土産には郵船商事さんからこんな言葉が添えられていました。

「次世代素材として期待される『藻類』の可能性を、身近に感じていただくために」

持ち帰ってふとした瞬間に「そういえば、あの懇親会で」と思い出してもらえるように。「藻のあられ」は、まさにその未来を身近に体感してもらうきっかけとして用意された一品でした。

左より、郵船商事 白石さん、浅谷さん、ちとせ 柳町、郵船商事 梅原さん、ちとせ 福田、郵船商事 穆さん

スピーチが終わった後は、会場に「藻ヨネーズ」の試食ブースをオープン!

実はこの「藻ヨネーズ」、日本郵船グループさんとのご縁があるんです。大阪・関西万博の「EARTH MART」閉幕クルーズとして、郵船クルーズさんがサポートされる「飛鳥Ⅱ」で行われたイベントに、ちとせの代表の藤田が「食の未来を輝かせる25人」として乗船!その会場に、藤田が「未来の食」として持参したのが、まさにこの「藻ヨネーズ」でした。

そんな話題も相まってか、当日のブースは大盛況!郵船商事の社員の皆さんが、次々とゲストの方を連れてきてくださったんです。しかも、私たちが説明するより先に、ご自身の口でこう紹介してくれて……!

「これ、うちが参加しているMATSURIなんです!」 

「この藻ヨネーズ、飛鳥Ⅱにも乗船したんですよ!」

プロジェクトの直接の担当者ではない社員の皆さんが、ごく自然に「自分の言葉」で語ってくださっている姿が、とても印象的でした。

写真左:藻ヨネーズ。写真右:当日はクラッカーと一緒に藻ヨネーズをご試食いただきました。

あなたの一言から、また誰かに広がっていく

技術懇親会の最中から、ゲスト企業の方から「うちでもMATSURIに関わってみたい」と直接声をかけていただくなど、郵船商事さんが起点となって、いま新しい共創の輪を外へと広げてくださっています。

「持続可能な社会づくり」は、ビジネスそのものの転換だからこそ、一人でも多くの方々にMATSURIを知り、関わってほしい。郵船商事の皆さん、そして私たちMATSURIのそんな想いから、今回の取り組みは始まりました。

梅原社長のご紹介に始まり、社員の皆さんが「うちのMATSURIなんです」とご自身の言葉でゲストに語りかけてくださる。その熱量が伝播していく光景をご一緒できたことが、何より嬉しい体験でした。

藻のあられ一粒、藻ヨネーズ一匙から、共に未来を創る一歩は踏み出せるのだと、私たちが教えてもらった気がします。

次はあなたにも「うちも入っているMATSURIなんだよ」と語っていただけるよう、これからもMATSURIではワクワクする共創の機会をたくさん作っていきます!