「藻」と聞いて、何を思い浮かべますか?池に漂う緑色の物体、あるいは昆布やワカメといったお馴染みの海藻?

 

今、そんな藻類(そうるい)が、未来の暮らしを支える素材として注目されています。2025年大阪・関西万博、日本館では藻類がテーマのひとつ。そして、ちとせグループが主導するバイオを軸にした産業づくりを進める共創プロジェクト「MATSURI」は、日本館ファクトリーエリアで「『藻』のもの by MATSURI」をプロデュースしました。このショーウィンドウでは、藻類を素材にしたアパレル、化粧品、食品、塗料など、さまざまな「藻の物」が一堂に並びます。

 


ショーウィンドウ右上の企業一覧に名を連ねる一社、サントリー。創業以来、100年以上にわたり自然との共生を軸に事業を展開してきました。持続可能な社会の実現を志すMATSURIの理念に共感し、今回、協賛企業として本展示に参加しています。本記事では、サントリーが藻類に見出した新たな可能性や、そこに込められた想いついてご紹介します。

サントリーホールディングス株式会社
サントリーグループは、水や農作物など自然の恵みに支えられた食品酒類総合企業として、人々の生活を潤い豊かにすることと自然環境を守り育むことが共存し、人と自然が互いに良い影響を与えあって永く持続していく社会を目指します。「人と自然が響きあう」社会を実現するために、私たちは自然への尊敬と感謝を忘れず、水をはじめとする自然の生態系が健全に循環するためのさまざまな活動に取り組んでいます。



―― 今回、協賛を決めた背景について教えてください。

微細藻類の活用の可能性追求

サントリーグループは、自然と水の恵みに生かされる企業として、「人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、『人間の生命(いのち)の輝き』をめざす。」をパーパスとし、創業以来、持続可能な社会の実現を目指してきました。MATSURIプロジェクトへの参画を通じ、持続可能な社会実現に向けた微細藻類の活用の可能性を追及して参ります。

―― 万博やMATSURIに関わる中で、初めて知ったことや自社内での意識の変化などがあれば教えてください。

秘めた可能性

弊社は2030年までにグローバルで使用するすべてのペットボトルをリサイクル素材あるいは植物由来素材等100%に切り替え、化石由来原料の新規使用をゼロにすることで、100%サステナブル化を目指しています。その活動を進める中で、微細藻類の活用によるペットボトル製造の可能性は新たな発見でした。

写真右:100%植物由来素材ペットボトル(試作品)

――貴社の事業領域から見て、藻類産業の中で担える可能性のある役割についてどのようにお考えですか?

広いモノづくり

藻類産業からは広いモノが生まれます。ペットボトルの原料素材だけでなく、燃料や繊維、食品、化粧品など、弊社の生産活動に必要であるモノや生産販売しているモノまで広く対象としており、様々な活用の可能性を感じております。

―― 日本館展示への参加や、万博への関わり、あるいはMATSURIへの参画を通じて、どのような未来や変化を期待していますか?

技術の進歩と活動の普及

微細藻類の力を活用したモノづくりは、更なる技術進歩により、より早くより良い品質のモノを生み出す可能性があります。こうした取り組みが広く活用され、普及し、日常生活のあらゆる場面をサポートすることに期待しています。

―― 最後に、読者の方(万博来場者や未来世代)に伝えたいメッセージ、貴社がアピールしたいことなどあればお聞かせください。

挑戦!

持続可能な社会の実現に向けて挑戦を続けましょう!